はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員

病院誘致の市民説明会 どんな病院ができるのか?誰にもわからず…。

6月3日、総合的病院誘致の市民説明会が市役所5階会議室で行われ、市民が20人程度、岩室・橋爪議員も参加しました。市長からの説明では、今回の県保健医療計画で、この横須賀三浦地域には増床はなく、「葵会」病院(開設申請時109床)への新たなベット配分がされず、200床(目標300)の確保も難しいことが報告されました。

新病院の診療機能(診療科)は流動的で、高度救急は横須賀で対応。これまで説明から後退か?

市長からは、医療環境も大きく変化している状況のもとでは、診療機能も確定で流動的になっている。その状況下、診療機能について継続的に検討をしていくことが述べられました。また、市長から3次救急は、横須賀共済病院と湘南鎌倉病院があることから広域的な対応で足りているので、「葵会」病院には、二次救急の輪番体制を担ってもらうことが強調されました。病院誘致の当初にあった一分一秒を争う命を守る救急体制ではなく、これまで市民が期待してきた救急体制ではないことは明確になってきました。

病院用地の都市計画法手続きの用途変更が必要説明。第一種低層住居専用地域→第一種住居地域へ

一方で現在の予定地は、都市計画法上は病院を作れない場所(第一種低層住居専用地域)であることから、都市計画決定による「用途変更」(第一種住居地域)を急ぎ、逗子市の3条例(景観条例・まちづくり条例・良好な都市環境をつくる条例)を適用し、その手続きを進めていく方針の説明もありました。手続はおおよそ2年間が必要とされています。

自治会と約束した路線バス導入は白紙。無料シャトルバスは検討しない!

周辺対策として、県道交差点改良は行わないと説明。前回断念に至った聖テレジア会(ヨゼフ病院)誘致では、アーデンヒル自治会からの要望で合意していた団地内への路線バス導入は、「断念により合意は失効したもの」との見解を示し、現在は自治会からの要望が強い「ミニバス」の導入を優先して取組んでいくと説明がありました。しかし、本当に実施できるかは京急バスの判断しだいですし、「葵会」の無料シャトルは全く検討課題にもならないようです。

市民意見「これって回復期病院?」「オペ室2つで救急対応?」「差額ベット料金は?」「財政危機でも病院誘致?」

市民からの質疑応答では、「回復期の病院であれば、病院ができることを期待している」「差額ベット料のベット数と料金がはっきりとしいない」「財政危機でどうして病院誘致なのか?」「オペ室が2つで救急に対応できるのか?」の質問と心配する意見が出されていました。

市長と「葵会」の答弁では、ベット数300を目指しているが急性期(2次救急)は現在24床、将来的にも120床程度になっても、2つのオペ室で足りる。重篤者は3次に任せるし、軽傷や中程度のけがや病気であれば診れる病院であり、今後、医療環境も変わり、この地域で必要とされる医療が担える病院になるだろうと願望が述べられていました。また、逗子市の財政危機に関係なく、用地の無償貸与は「葵会」との約束である以上は守るべきものと明言していました。

今、明確に言えることは、「病院をつくること」と「その病院のめざす規模(ベット数300)」だけです。現時点でどのような病院ができるのか、市長も葵会も含め誰にもわからないと言うことです。市民からは財産(病院用地約2万㎡)を無償貸与する以上は、「どんな病院ができるのか?もう一度市民に説明すべきだ」と声があがっていました。