久喜宮代衛生組合(埼玉県) 生ごみ減容化及び堆肥化処理施設
7月24日、埼玉県の久喜宮代衛生組合の生ごみ減容化及び堆肥化処理施設(久喜宮代清掃センター)について、日本共産党と立憲クラブの共同視察を行ないました。衛生組合は昭和36年に久喜町(現在の久喜市)と宮代町の一般廃棄物(ごみ・し尿)を共同処理することを目的に設立。平成22年には久喜市・菖蒲町・栗橋町・鷲宮町の1市3町が合併、人口18万人程度のごみ処理と資源化を3施設で処理を行っています。今回の視察は、逗子市と葉山町が「生ごみ処理」の共同処理をめざし検討が始まっています。その中で久喜宮代衛生組合が導入しているHDM堆肥化システムを採用する方向性もあることから、現在の稼働状況や効果について調査しました。
しかし、久喜市は将来にむけて検討が始まっているようで、平成29年度HDMの検証報告書(↓別途資料)で、施設整備の拡大は困難と判断し、HDM堆肥化をやめて、ガス化施設(補助率5割)を検討する方向にあると説明を受けました。
HDM方式(日量4トン)は、既存建物を利用した上で、収集した生ごみをチップと溶剤と一緒にして撹拌作業によって減容化を図るものでした。また、実際に生ごみ収集をしている対象世帯は約1万、年間650トン、排出している世帯は5割程度で、実施から9年、全域への対象地域の拡大には至らなかったと説明を受けました。
最大の課題は、コスト面で1トン当たり焼却は27,772円、HDM方式は51,678円と約2倍の経費が係る点です。また、センターは市街地では臭気対策が欠かせません。そして異物混入が生まれ、堆肥の商品化(販売)には難しいようです。
久喜市の場合、一般ごみの収集は無料で、生ごみの場合も対象地域に週2回収集、各家庭に対し専用袋(↓写真 透明袋 収集後焼却)が無料で配布され、その専用袋を使用し、排出してもらっています。また、年間30トンの堆肥した物(名称「エコ彩来2」)は、市民へ無料で提供され、還元された結果大変喜ばれています。
逗子市と葉山町が導入するには、都市部である新たな課題、その対策が必要となることは間違いありません。
【視察資料】