はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
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18年3定 総合的病院誘致に関する決議

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 第3回定例会の最終日、9月28日本会議において、日本共産党・立憲クラブ・真無所属の会ら8名による決議案の提案がされ、賛成多数で可決しました。

決議案第2号 総合的病院誘致に関する決議 〇賛成多数で可決

〇賛成9 共産党2 立憲ク3 無所属2 無2

×反対7 自民党4 公明党2 市政ク1

【決議案の提案趣旨説明 岩室】

ただいま議題となりました決議案第2号 総合的病院誘致に関する決議案について、提案者を代表して趣旨説明を申し上げます。

総合的病院誘致は、逗子市と「葵会」との覚書も結ばれ、現在、109床の病院開設申請が許可され、今後、用途地域の変更や地区計画などの都市計画決定手続きもあって、政治的にも市長選挙も12月に予定されている極めて重要な時期を迎えています。

しかし、進出を予定している「葵会病院」に対するベット数は109床にとどまり、公募条件の後退も生まれる事態となっています。さらに医療圏のベットの増床もなく、医療制度改革も進む中で、市民を取り巻く医療環境も大きく変わってきています。

決議案にあるように、市議会は平成14年8月に「逗子市総合的機能を有する病院の誘致を促進する条例」と「総合的病院の誘致に関する決議」を可決し、市当局と共に取り組んできました。ところが、この間、逗子市と「葵会」との交渉協議の結果は、条例の趣旨に十分にそった状況とはなっていません。

また、本市の財政危機は、市政施行以来の深刻な事態を招き、市民サービスを大きく後退させる結果となっていますし、財源の安定的確保が最優先される必要があり、条例で規定している用地貸与など必要最小限とすべきであります。

ところが、平井市長は、財政危機にもかかわらず、それとは逆に無償貸与に固執し、将来の財源となる市民の財産を事実上放棄する方針をとっています。 決議案は、今日的な医療環境の変化からも、本市の財政事情を考慮すれば、今回の病院誘致については見直しを図り、再考すべきものと判断し、提案したものであります。

決議案の内容つきましては、タブレットに配信されたとおりであります。同僚議員各位におかれましては、何とぞご理解、ご賛同いただけますようお願い申し上げ、趣旨説明を終わります。

【決議案第2号に対する賛成討論 橋爪】

ただいの議題となりした決議案第2号 総合的病院誘致に関する決議案について日本共産党を代表して、討論に参加いたします。

決議案は、平井竜一市長のもとで、過去、聖テレジア会、ヨゼフ病院の誘致が断念に至り、4度目の病院誘致は、平成28年10月に突然のように公募が始まりました。その結果、公募条件は過去の要件にそったもので、この間の医療環境の変化の検証や、十分に市民の声などは聴く機会がなく進められ、「医療法人社団葵会」が選定されました。今回の公募実施にあたり、市長からは三浦半島地域の横須賀三浦地区は、1000床の不足が見込まれることが強調されてきました。ところが、実際に北部共済病院の廃院による返上された175ベット、その内から109床が配分されたにすぎません。この結果、配分された109床のまま平成29年11月に神奈川県へ病院開設許可申請書がされました。

しかし、通常2週間程度、行政手続法からも許可されるものが、多くの訂正が必要とされたことから、実際に許可されたのは今年8月となる異常な事態となっています。公募条件について、この間、逗子市と「葵会」との交渉協議において、市当局の姿勢は「葵会」側からの意向を丸のみし、公募条件が後退しながらも、それを受け入れる状況になっています。公募条件は、市民が切望する内容からも、条件が後退することは許されないものであります。

次に、この間、私たちは病院誘致を進める中で、今日の医療環境、医療制度が大きく変わっていることを改めて認識する機会となりました。さらに将来的にも医療環境は変わろうとしていることも知りました。その点で、公募条件を改めて精査し、今日的にも、将来的にも耐えうる病院機能、その需要を考慮することが迫られ、再考が必要となっています。

医師の確保問題では、「葵会」は医師確保ができるとしながら、現実には、最近、「葵会」が移譲を受けた県立の七沢病院は、当初17人を配置すると約束しながら、実際には3人となったことで、地元や県議会から厳しい批判がおきています。「葵会」と言う法人は、全国的に介護施設を中心に発展してきた民間企業であり、農協や公立の病院移譲を受けてきた法人で、医学部を持つ大学系列の病院でもありません。そのため「葵会」に対する医師の確保への懸念は、医療スタッフの確保に対する懸念にもつながってきます。

次に、地元、逗葉医師会との関係構築、正常化をついて、この問題点は早急に構築を図る必要性が生まれています。この間、逗子市、「葵会」、地元医師会との関係は、市長や与党議員が本会議場で、名指しで医師会を批判する事態もあって、到底、良好な関係とは言えない状況があります。自治体の病院誘致について、どこを見ても、地元医師会、同一医療圏の周辺自治体の医師会とは良好な関係をつくり、その理解の上で進められています。本市のような対立したままで、誘致が成功した事例は見受けられません。決議案が求めているように、地元医師会との信頼関係を築き、協力体制を再構築することが重要であり、誘致推進を進める前提条件と言えるものです。この点について異論を唱えることは誰もいないものと考えます。

次に、本市が病院誘致に取り組む根拠は、市民による直接請求による「逗子市に総合的機能を有する病院の誘致を促進する条例」の制定があります。また、市議会としても条例修正とあわせて決議案も可決してきたところであります。このことからも、誰が市長であっても、病院誘致ついては、「条例」と「決議案」にそった取り組みが必要とされています。ところが、「条例」にある第2条「環境への配慮」、第3条「市民の意見の反映」、第4条「財政負担の軽減」など、条例の趣旨が極めて軽視され、条例に十分にそったものとは言い難い状況にあります。例をあげれば、市民に意見の反映では、診療科目も不明確であり、交通アクセスもシャトルバスの運行や路線バスの乗り入れも確約が取れない状況です。また、財政負担の軽減では、土地の無償貸与することで、葵会への負担軽減が図られるす一方で、市の財政への配慮がなく、結果、市民負担につながっています。平井市長の下で進められてきた病院誘致は、当初掲げられた公募条件が後退し、その一方で「葵会」に対する用地の無償貸与だけが「覚書」で約束されただけでありました 公募時点と現時点では、本市の財政状況はまったく違い、財源確保を優先し、安定的な行政運営を考えるべきであり、無償貸与は考えられない状況ではないでしょうか。直ちに見直しを図るべきであります。

市民がもっとも強い関心を持っている診療内容も、現時点で不確定、流動化する状況となっています。このままでは、救急体制の整った、救急を中心の病院でなく、病院が建ったとしても、市民の願う病院でなく、まったく違う病院となる恐れも生じています。市長選挙を前にして、逗子市議会としても、病院誘致にあたり、今一度、現在のすすめられている「葵会」の病院誘致について、誘致の見直しを図り、再考すべきと判断し、決議案を賛成するものです。