はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
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統一協会関係者が講師となっている「ずし学習塾講座」の中止を申し入れる

 市民から公募した講座について、講師が統一協会系の考えに基づいた内容であることから、以下の申入しれを行ないました。

          ずし学習塾講座に関する申し入れ書

2004年10月19日
逗子市教育委員会 委員長 小島裕子殿
逗子市教育委員会 教育長 野村昇司殿
                      日本共産党逗子市議会議員団

                       団 長 岩 室 年 治

                            橋 爪 明 子

           ずし学習塾講座に関する申し入れ

 平成16年度予算の生涯学習推進事業として、「ずし学習塾推進の会」に対する委託経費84万8千円が議決され、4月1日付「広報ずし」に、逗子学習塾推進の会による講座の市民講師、市民グループ企画等講座・プロジェクトチームの募集が行なわれ、9月1日付「広報ずし」に受講者の募集がされ、市民への参加が呼びかけられました。
 現在、その講座が市役所5階を会場にして実施されていますが、市民グループ企画講座Ⅱ型のテーマ「愛:人間教育の基」(企画「これからの社会の在り方を考える会」代表尾崎美代子)の講座において、特定の宗教団体が設立し、その運動を推進するメンバーが講師を務めているものや、講師自身が特定団体を批判し、自らが行なっている運動への理解と、その運動を呼びかけるという内容となっています。
 本市の総合計画の基本計画にも位置づけ、教育委員会の責任のもとで、生涯学習推進の場として取り組まれている「ずし学習塾」の講座が、内容が極めて偏向し、その上で講師からは政治的な発言もあり、特定宗教団体に利用されていると考えられるものです。そのことからも講座を直ちに中止されるように強く求めるものです。

1.講師が、反社会的団体と深く結びついた団体の代表であること。
 10月5日、12日の講座を務めた講師は、「フリーティーンズ・ジャパン」(以下「フリーティーンズ」)代表の古田武士氏は、世界基督教統一神霊協会(以下「統一協会(統一教会)」)の雑誌に登場し、統一協会の信者と考えられます。
 また、今回の講座内容は、統一協会の文鮮明が創設した「真の家庭運動推進協議会」(以下「協議会」)が全国的にフリーティーズ講師養成セミナーなどを開催して広めてきた内容そのものであり、協議会はその運動を組織し推進きた組織です。
 そして「フリーティーンズ」は、統一協会による霊感商法などの被害対策に取り組む全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下「連絡会」。弁護士約300人の団体)からは、統一協会の関連団体とされています。
 統一協会は、文鮮明の指示のもと、その正体を隠した詐欺的脅迫的入教勧誘を行ない、日本人信者に資金集めと献金をさせ、それも毎月目標額を示した上で、その達成を強く求め、そのために信者は、協会の指示にもとで、組織的にいわゆる霊感商法を行ない、集団結婚を含めてその霊感商法被害は社会問題化しています。
 統一協会による印鑑、壺、多宝塔、仏具など物品販売や強引な献金は、10件以上の裁判で判決が下され、このうち最高裁判決で確定している事件も5件もあり、統一協会は社会的批判を受けています。
 連絡会の調べでは、昨年度消費者センターに持ち込まれた相談件数だけでも1044件で37億2700万円となって、過去16年間で約2万3000件、総額820億円を超える相談が寄せられ、それらの被害は氷山の一角とされています。
 以上のように、反社会的団体の信者で、その団体に関連する団体代表者が、本市が実施する講座の講師を務めることは到底認められるものではなく、多くの市民は理解できないものです。

2.講師が、特定の団体を一方的に批判し、運動を呼びかけたこと。
 19日に開催された講座「正しい子供の育て方(脳の働きと心理学で成長の原理を知る)」については、講師が自らの体験談や活動を通じて研究した内容が話されていましたが、結論的に述べられていたものは、一方的見解を持つ立場から、ジェンダーフリー教育批判と日教組批判を繰り返すものとなっていました。特定団体を名指しにして、反論する場もなく、一方的な批判を繰り返していたことは、極めて不適切で政治的な発言と言えます。また、その批判の客観的な根拠がまったくないものでした。
 講演は、全体的に科学的根拠が極めて希薄で、自らの体験や主張以外は、発言で「何々…ですって」という表現からも分かるように、他の研究者の見解が多く引用されている印象を強く受けるものとなっていました。
 このような講座を行政、教育委員会が責任をもって、継続実施ができるものでしょうか。その立場から、次回以降の講座の中止を求めるものです。

 具体的には、講師の発言は以下のとおりです。
●講師の発言より
「ジェンダーフリーは、男は男でなくなってしまう」「ジェンダーフリーによって、結婚しない30代、40代に独身の人が多い」「8歳までに脳ができるが、ジェンダーフリーのために女っぽい男の子が増えている」「戦後、弱い父親、お父さんがしっかりしていない、日本の国は、みんな男の人が弱いからダメになる」「戦後、やさしい男が好きということから、弱い男性が増えた」「怖い母親がいると、結婚も申し入れることができない男性がいる」「ジェンダーフリーをやめさせるべき」「日教組の先生は、すべて平等の教育、ストをして、ストして、その結果、子供に万引きが増えた」「ジェンダーフリー教育はいけません。立ち上がってほしい。やっちゃいけないのですよ」「猿山にはボスが必ずいる。日教組は、ボスはいけないと言う。ボスになるとお山の大将となる。子供の時期にボスを経験すると精神は安定する。なれなかった子はいじめに会う」「美空ひばりはやせる薬で死んだ、一曲覚えるのは大変、3歳位から鍛えたから覚えた」
●講師資料より
「幼稚園から、まして小学校3年生までに、ジェンダーフリーの教育をされれば、精神的に男性にはなれなくなる。一方女児は辺縁系に女性脳が沢山あり、しかも女性らしく育てられなければ男っぽく、したたかに生きる」

 以上の問題から、講座が今後も予定されていることを考えると、速やかに、そして適切な対応が必要です。以下の質問事項について調査し、回答されるようにお願い致します。

               質 問 事 項
1. 講師が、統一協会の信者であること。統一協会の関連団体と承知していたものか。また、「フリーティーンズ・ジャパン」の定款、規約などを明らかにされたい。
2. 講座の内容は、議員団による調査では十分に承知していないことが明らかであるが、改めて講座が、どのような事務決済と調査並びに講座選定を行なってきたのか。
3. 今後も、統一協会、その関連団体の構成員を講師とする講座を実施するものか。
4. 教育に関する様々な意見がある中で、偏った見解に立つ講座を実施するのか。
5. 特定団体を一方的に批判する講座を開いているが、その団体への謝罪はするのか。
6. 講師が述べたジェンダーフリー教育批判について、科学的根拠があると考えているのか。根拠があれば説明されたい。
7. 教育委員会のジェンダーフリーに対する見解について。
8. 講師の発言について、問題があると認識しているのか。
9. 教育委員会は、社会教育並びに生涯学習の推進の立場から、ずし学習塾推進の会とともに取り組んできた講座が、現時点では残念ながら反社会的団体に一部利用されたものと考えられます。ずし学習塾推進の会へ全面的な委託形式に問題があると考えられますが、講座選定及び実施方法について見直す考えがあるのか。
10. 湘南教育研究所の定款、規約(目的)、住所、代表者名などを明らかにされたい。
11. 講座「保育園のパラドックス」の講師についても、講師の経歴や講演の具体的な内容を明らかにされたい。
12. 参加者は市内在住、在学在勤に限られていた。しかし、講座には市外から参加者もいたが市外の参加はどのように知らせ、認めたのか。又、講座出席の状況。
13. 講座の出席名簿や回収されたアンケートについて、市民の方から「統一協会に利用されるのではないか」と心配の声が寄せられていますが、その取り扱いはどのようになっているのか。
14. 今回の講座を中止する考えはあるのか。