はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
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九条の会 小林多喜二の想いを今日の時代に生かして

 7月23日、逗子葉山9条の会は、ドキュメンタリー映画「時代(とき)を撃て・多喜二」の上映会を逗子アリーナ会議室で行ない、島村輝事務局長からは、最初に「会」がこの上映する理由や映画が作られた経緯などが話されました。

映画は、生誕100年・没後70年を経て、小林多喜二に対する再評価が最近されるようになり、映画製作のきっかけは、1931年釈放された多喜二が、小説「オルグ」を執筆した丹沢山麓の七沢温泉の旅館に滞在し、「多喜二ゆかりの七沢を知らせ歴史と文学をひろめる会」が発足。2人の方から記録映画の製作資金の提供の申し出があって、本格的な映画づくりがスタートしたことが説明されました。また、正式な上映会は、横須賀市のはまゆう会館ホールで上映が予定されています。

 監督は池田博穂氏、共同脚本として橘祐典氏が参加。映画は「坂妻」の活劇場面から始まり、当時の時代背景を織り込みながら、文学界に与えたプロレタリア文学の影響、その中でも小林多喜二の存在、そして特別高等警察による逮捕、拷問による虐殺されるまでが描かれ、当時の新聞も大きく報じたこと、その後、日本が侵略戦争に突き進んでいった状況がわかりました。映画の証言者は、俳優の田村高廣さんや赤井英和さん、多喜二を直接する関係者と実弟の三吾さん、ノーマ・フィールド(シカゴ大学教授)など研究者などの証言もあり、朗読には津嘉山正種さん、浅利香津代さん、山本圭さんなどが出演していました。

 坂東妻三郎の登場は、ちょっと以外でした。しかし、時代的には「坂妻」と多喜二は2歳違いで、戦争とファシズムに進む時期、共に生きた時代でもありました。坂妻の息子である田村さんの記憶に父が、戦前に密かに持っていたプロレタリア小説の包みを目にしたこと、父が小学生のころ家業が倒産し、そのために丁稚奉公にあがり、身分の差ゆえに悲しさをいやというほど味わった体験などが通じるものがあったと考えられるなど、当時の人々に与えていた影響の大きさを知ることができました。当時の支配層が多喜二を恐れ、憎んだ理由もわかり、民主主義を求める人々の姿、日本共産党への弾圧を繰り返し、治安維持法によって命を奪うまで進んだ理由が見えてきました。