はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
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13年3定 君島議員が表決中に発言、会議規則違反の議事妨害を強行

09c_104010月1日、本会議に上程された議員提出議案第4号「逗子市災害見舞金条例の一部改正」の委員長報告が行われ後、それに対する修正案2件が順番に表決されました。そして橋爪明子議員他1人からの修正案について、議長から「裁決」(表決)を宣告され、賛成者全員が起立した際、君島雄一郎議員が議長に対し、発言の許可を求め、それを認めたことから、起立した賛成者の頭越しに発言が行われ、議長への質問が行われました。

賛成者全員は、起立したままの議員、一度は座り、また起立した議員もいる状態となってしまいました。また、君島議員から質問を受けた議長は、それに応える形で発言を行なっていました。このような状態となったために、修正案の表決について、議長から二度も「採決」を求める宣告が行なわれました。可否の表決結果について、議長からの結果の宣告が一度であったことから、瑕疵ある議決は避けられたようです。

会議規則第60条と第135条に違反する行為は明白にもかかわらず、

塔本議長の裁きはおとがめなし(無罪放免)、公平公正に欠く飽きられた運営。

これらの一連の行為は、本会議で議長から議員提出議案第4号の表決が宣告された中で行われたものであり、君島雄一郎議員が会議規則第60条の「表決の宣告後は、何人も発言を求めることができない」の規定に反していることは明らかです。

また、会議規則第135条の「何人も、会議中はみだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない」の規定からも反していることは明白です。

君島雄一郎議員の発言要旨は、原案を提案した岩室議員が、修正案に賛成することに疑義があると言うものでしたが、議長から岩室議員の対応は「法的には問題はない」と回答がありました。

また、岩室議員からも、原案の提案者であっても「修正案に賛成することは法的に許されるし、災害見舞金条例一部改正案の目的を達成し、被害者へ見舞金を支給できるように遡及措置するため、橋爪議員らの修正案は申請時期の猶予を行なう必要な措置を行なうものであり、それに賛成することは議員として遡及措置と被害者を救済するため最大限努力したものである」と反論しました。

さらに、10月1日の本会議の議事日程の終了直前に、改めて、岩室議員から議長に対し、議員提出議案第4号の表決における君島雄一郎議員の発言は、会議規則違反の疑いから発言精査を求めました。

そのため議長が「休憩」を宣告し、正副議長の君島議員や各会派に対する調製協議が続けられ、当日の夜の段階では、「全国市議会議長会へ照会する」との報告を受けました。しかし、その日には判断できずにと翌日に問題は繰り越されました。2日の昼まで休憩は続き、事実上の二日間にわたり会議は空転しました。

2日の午後から本会議が再開されましたが、議長からの「報告」はなく、議事がそのまま進行。驚いた議員から議長へ質問が行われ、議場が一時騒然となりました。そのため岩室議員など同僚議員からは、会議規則違反について正式に報告をするように質問し、議長に要請がされました。しかし、議長は「意見として承ります」とだけで、対応する姿勢をみせず議事が進行されてしまいました。

その後、一般質問直後に、日本共産党は「議長が精査のために問い合わせた全国市議会議長会からの回答について、議会へ正式に報告することを求める」議事進行の動議を提案しましたが、賛成少数で否決されました。

日本共産党は、正副議長による各会派との調整段階から、君島雄一郎議員の会議規則違反と議事妨害は明らかであり、本人の「発言取消し」「陳謝」を求めていました。但し、本人が同意しない場合は、会議規則違反が明白である以上、議長職権で対応も理解を示し、そのことを伝えていました。

ところが、正副議長が適切な対応と処置を放棄し、本会議を再開したことは非常に残念な対応でした。今後、塔本正子議長から君島雄一郎議員に対して、懲罰事犯について厳重注意していただき、議会運営については、地方自治法と会議規則が守り、公正公平で円満な運営に努められますように要請したいと考えています。

【解説・資料】

会議規則 第60条 (選挙及び表決時の発言制限)  

選挙及び表決後は、何人も発言を求めることができない。ただし、選挙及び表決の方法についての発言は、この限りではない。

会議規則 第135条 (議事妨害の禁止) 

何人も、会議中はみだりに発言し、騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。

地方自治法 第134条 (懲罰)

議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により、懲罰を科すことができる。

【解説】 「議会運営の実際」から…

※「議会運営の実際」という著書があります。この本は、一般的にどこの議会でも議会運営上の解釈や理解のために、置いてある本です。その「議会運営の実際」の第2巻、第14章の「発言」、その第4の「発言についての制限」では、設問があり、次のように述べられています。

Q 「選挙や表決宣告後に、発言は認められるのか」

 A 議長が選挙、表決の宣告をしたあとは、直ちに選挙、表決にはいりますので、会議規則では「何人も発言を求めることはできない」とされています。

これは議員だけでなく、執行機関にも適用されます。

ただし、この場合においても選挙方法、例えば指名推薦でなく投票、表決方法では、例えば起立表決でなく無記名投票というような表決問題の明確化についての発言は認められます。ただ、この種の発言は、理論上は可能であっても、実際は発言を許可するタイミングが大変難しいと思います。この発言は選挙、表決の方法、手続きに関する事項に限定されていますので、例えば表決の対象となった案件の内容について述べることは認められません。

以上、ここで述べられているように、君島雄一郎議員の発言内容は、表決の方法についてではなく、表決における議員の賛否について疑義があるという質問したものでしたから、会議規則違反となってしまっています。もしも発言を求めるなら、表決の可否結果が宣告された後、それも次の議題になる前、その間に議長へ質問をすべきでした。それでも表決の結果が覆るものではありません。議会ルールは「地方自治法」という法律と「会議規則」という議決した法令で運営されているものです。それを自分勝手に思うがままに行う姿勢は厳しく批判されるべき行為です。