はしづめ明子 日本共産党逗子市議会議員
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座間市 米軍基地返還と総合病院誘致、4月からオープン

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5月10日、座間市が米軍基地の一部を返還させ、総合病院誘致を実現。その取り組みについて、日本共産党と維新クラブによる共同視察を行ないました。

座間総合病院

病床数 352床(一般 235床 療養 117床)

診療科目 19科目  二次救急  

■ 救急ワークスステーション設置 

■人口関節・リュウマチセンター設置

運 営   社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 

座間市(写真)が病院誘致を進めた背景には、平成22年当時、病院建設の要求が多く、また、市内病院の閉院・移転もすすみ、74%が市外に搬送されている実態がありました。過去には8つの病院があり、現在、救急を担っているは相模台病院、相武台病院、そして座間総合病院の3つ施設です。今後、座間市は救急搬送について、市内受け入れ率8割をめざす方針です。

平成18年に米軍の再編計画が示された以降、全市をあげての反対運動も展開されながら、平成20年、新たな基地負担が増えることを認め、当時の市長の政治決断によって、座間市と国は「確認書」を締結。その中で市と国が対等の立場で協議できる場として「キャンプ座間に関する協議会」が設立されました。

その後、平成21年に1.1haの一部返還案が示され、さらに約4.3haの追加もあり、合計5.4ha返還案となりました。その際、国からは、4.3haの中に自衛隊家族宿舎を整備したい意向も示され、30年ぶりに庁舎内に「座間市基地返還促進委員会」を設置、「キャンプ座間チャペル・ヒル住宅地区跡地の利用計画」について「諮問」、平成22年に「答申」、平成24年に「構想」を策定しています。

キャンプ座間チャペル・ヒル住宅地区跡地の利用計画

  キャンプ座間返還地の跡地利用計画では、①病院誘致ゾーン、②新消防庁舎ゾーン、③公園ゾーン、④陸上自衛隊家族官舎ゾーンの4つゾーンに分けられて計画がすすめられています。

一方で、平成22年に国の「国有財産の有効活用」について「通達」も出され、座間市は、「通達」が社会福祉施設に限定されたものであったことから、医療施設を対象にできるよう要請。その結果、国有地の定期借地権の活用が認めらています。

返還については、平成23年には日米合同委員会が返還について基本合意し、平成26年に返還前でも、その用地の荒造成を国が負担し、「共同使用」の中でも、病院建設を進めることが許され、実際には平成28年2月29日に予定地が正式返還されました。

病院誘致の最大の障害は、病床数規制です。座間市は二次医療圏の病床過剰地域でありましたが、平成22年に国対し、病床過剰地域の撤廃を要請。その後、県が高度救命救急センターのない二次保健医療圏への見直しがされる中、235床が座間総合病院に配分が決定されました。平成25年4月に公募を行ない、8月には病院事業者を決定、10月に「覚書」を締結、平成26年7月に「基本協定」を締結、12月に県が開設許可が出されました。

病院用地は、防衛省の行政財産から、返還されたことで財務省の普通財産となり、座間市は50年間にわたる定期借地権で、毎年1000万円の借地料を払うことになります。国有地の転貸を選んだ理由は、買取りによる過大な財政負担を避け、負担軽減を図ったものです。

そして、病院用地については、座間市が病院事業者へ無償貸与するものです。また、10年後の更新前には、改めて両者が協議するとされています。

座間市の病院誘致が実現した要因は、①市と国が対等に協議できる協議会が設置され、返還と負担が話し合われたこと。②病床過剰地域でありながら、計画を見直しをさせ、病床数の確保ができたこと。③医療圏の市町村・医師会、そして神奈川県の理解と協力が得られたこと。④市の財政支出を抑え、負担軽減をしたことなどがあげられます。

逗子市は、米軍基地内の返還による病院用地確保とその誘致を断念し、新たに予定地とした用地の近隣住民と地元医師会の十分な理解も得られず、医療圏内の市町村の理解と協力についても取り付けられていませんでした。さらに毎年1億3000万円の財政負担が求められる状況もありました。結局、横須賀三浦医療圏内の湘南病院、北部共済病院、ヨゼフ病院、いずれも病院事業者からの「進出断念」という表明で、誘致計画は頓挫してきました。現在は、病床数確保の課題も加わり、解決しなければならない課題も多く、病院誘致の困難さは増しています。同時に国による医療と社会保障制度の改悪は、市民の命と健康を危うくさせています。

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↑写真 ①座間総合病院の入口付近、 ②病院のシャトルバス

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【座間特産品の紹介】  座間市特産品等認定協議会

特産品の「ざまみず」は、議会事務局から試食用として提供されました。推奨品「ザマオーレ」は厳選珈琲豆と座間の地下水で作ったコーヒーで、帰路に購入しました。